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「縛ること、漂うこと」What Holds, What Drifts
.三人展
「縛ること、漂うこと」What Holds, What Drifts
.三人展

「縛ること、漂うこと」What Holds, What Drifts
.三人展

Artist:Tingting Xiao/ Shenlu Liu/ Jiayi Yu キュレーター:エンジェル チン 2025年7月21日14:00 Open

日時・場所

2025年9月13日 19:00 – 23:00

会場は未定です。

イベントについて

展示紹介


「縛ること」と「漂うこと」、「縫い合わせること」と「緩むこと」、「修復」と「手放すこと」――一見反対のように思えるこれらの言葉は、私たちが人との関係や、自分自身の記憶・アイデンティティと向き合うときに生まれる“ゆれ”を表しています。それはどちらか一方ではなく、絡み合いながら同時に起こるものです。

この展示では、「世界の構造がどんどんゆるんでいく中で、私たちはどう自分を保つのか?」「バラバラになりながらも、つながりを作ることはできるのか?」そんな問いを投げかけています。

布という素材は、そもそも「つなぐ」ことと「ほどける」こと、両方の性質を持っています。糸を縫う行為は、つながりや修復を意味する一方で、ほころびや断ち切れの可能性も含んでいます。安定しているようで、どこか漂っている――そんな感覚は、きっと私たちの日常そのものでもあるはずです。

3人のアーティストは、それぞれのやり方でこのテーマに向き合っています。

Tingting Xiao の《The Shuttle: Sailing Threads》は、昔の織り道具を子どものおもちゃのように見立てながら、「家族の記憶」と「自分の感覚」のあいだを行き来します。手仕事の意味をやさしくほどきながら、新しい関係性を縫い合わせていくような作品です。

Shenlu Liu の《光索 Organolux》では、目に見えない「関係」がテーマです。観客の身体に反応する光の作品を通じて、「動かなくても、すでに何かにつながっている」感覚を体験できます。現代の私たちが、無意識のうちに世界とかかわっていることを感じられるインスタレーションです。

Jiayi Yu の作品は、ガラスやお金、そして誰かの手を通して、「社会や経済の中で縛られているもの」を見せてくれます。それは私たちが気づかないうちに影響されている、ルールや不安、欲望かもしれません。作品は「縫うこと=生きのびること」、「手放すこと=運命」として描きながら、「ほんとうにほしいものは、むしろ私たちを縛っているのでは?」という問いも投げかけます。

3人の作品は、「私たちの存在は、何かに縛られたり離れたりしながら、常に変わっていくものだ」と語りかけます。

この展示は、布や糸だけの話ではありません。それは「今、ここで生きるとはどういうことか」を感じるための、小さな練習の場です。


ーーキュレーター:エンジェル チン



アーティスト紹介

Tingting Xiao(ティンティン・シャオ)

ロンドンを拠点に活動する手織り作家/ビジュアルアーティスト/ワークショップファシリテーター。Young Craft Citizenのメンバー。彼女の実践は、アジア産の天然繊維を用いた手織りや草木染め、テキスタイル・インスタレーションを通して、素材が持つ感情的・精神的次元を探求することにある。伝統工芸と現代的デザインを融合し、素材への感受性とサステナブルな制作姿勢を重視している。

ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ・オブ・アーツでテキスタイルデザインの修士号を取得。タイと中国で手織りと染色技術を学んだ経験を持つ。作品は London Craft Week(Deptford/Soho)をはじめ、Brick Lane Gallery や Peckham Levels などで展示されている。


Instagram

@tingtingxiao_33

Web

tingtingxiao33.com


Jiayi Yu(ジアイ・ユー)

2000年生まれ、中国出身・ロンドン在住のアーティスト。実験的なデジタルスキャン技法を用いたビジュアル表現を展開している。London College of Communication(LCC)および Royal College of Art(RCA)で学び、アジアのLGBTQ文脈のもと、触覚と視覚の重なりをテーマにスキャナーを“皮膚の延長”として扱う手法を発展させてきた。彼女の作品は、触れることで生じる感情の痕跡を視覚的に歪ませながら、鑑賞者の感覚を揺さぶる。

Tate Modernをはじめとするグループ展に参加し、デジタルメディアを通じて「身体性」と「感情の残響」をつなぐユニークなアプローチで注目を集めている。


Instagram

@jiayiiiiiii_yu

Web

https://www.yujiayiart.com


Shenlu Liu(シェンルー・リウ)

ロンドン在住のテキスタイルアーティスト。Royal College of Art(RCA)テキスタイル専攻修了。テキスタイルを軸としながら、インスタレーション、映像、感覚的なインタラクションを組み合わせ、「身体・感情・エネルギー」の非線形な関係性をテーマに制作を行っている。

現代社会において「触れること」が曖昧になり、「感情の可視化」が消費されていく中、編む・縫う・刺繍するなどの繰り返しの手仕事を、知覚の危機に応答するアクションとして再構築。彼女は「装飾的エネルギーのシェル」という独自の言語を提案し、スパンコールや糸、色彩などの視覚素材を用いて、親密さと防御性をあわせ持つパターン構造を生み出している。

これらの構造は、不安や記憶、人間と自然との関係性のあいだで感情を投影する装置となる。布というメディアを通して、感覚の鈍化が進む現代において身体を再び「感じるためのインターフェース」として開き、感情経験の再生を促す。

彼女にとって「やわらかさ」は妥協ではない。テキスタイルを通じて、微細だが確かな知覚の揺らぎを生み出し、新たな共鳴の回路を築いていく。

Instagram

@bluelulemon_

@sparklelemon_official

Web

https://www.instagram.com/sparklelemon_official/



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